「逃避の果ての桃源郷」
「もっと自分を労わりなよ」
私は自分で生きづらい世界を築いてしまっている。
とよく言われた。
だから、私は自分に優しくするように努めた。
自分に優しいルールを作った。
自分に優しい環境に甘えた。
それは俺にとって良いことのはずだった。
しかし、俺はそれにより重大な何かを無くしていた。
それは生きる充実感だった。
ぬるま湯につかった状態の俺は、感情が薄まっていた。
何をしても、どこにいても、誰といても、
俺は全力じゃなかった。
一方でそれは無駄ではなかった。
俺が得たのはセーブする力。
ONとOFFのスイッチしかなかった過去の俺に対し、
今の俺は40%や60%に設定可能なダイアル式のスイッチを手に入れた。
そして俺は、知った。
100%に近い、俺の限界を。
昔いた戦場の感覚を。
高揚している自分がいる。
感情があふれ出る。
昔はそれを抑え込んでいた。
今はそれを受け入れている。
俺は暴れたいのだ。刺激に飢えている。
変化を求め続ける。
だからこそ俺は挑戦し続けなければならない。
新しい何かを掴みに行かなければならない。
俺に必要なもの、それは
戦い続けることによる生きる充実感と、
その充実感を得るために自分を守ること。
今度は生き抜いてやる。